● 転職をスムーズに進めるために
自分でできる努力を全てやって、けれどもやはりどうにもならないときや、出産・育児・介護・その他の理由でやむを得ず転職を選択する場合には、できるだけ自分の願いを最大限に叶えつつ、スムーズに転職したいものです。
最低限どういうことに気をつければ、後悔の少ない転職ができるのかについて考えてみたいと思います。
● 自分の目的や就職先に望むことを明確に
転職する際には、「なぜ転職を決意したのですか?」という問いに応えられるように準備しておくことが必要です。
「人間関係が深刻化してしまい、体を壊してしまった」「働きに見合った給料が貰えないと感じた」「このままでいいのかしらという不安から」といったマイナスのイメージからの転職よりも、できれば自分の将来を見すえて自分にプラスになる転職にしたいものです。
自分の目的や就職先に望むことをはっきりとさせないうちに、「人間関係がとにかくいいところに今すぐ転勤したい」といった漠然とした理由で転職してしまうと、労働条件をしっかりとチェックできなかったため、大変忙しくさらに勤務状態が厳しいところに転勤してしまったり、自分の進みたい看護の実践が難しかったり、様々なほかのマイナス面が見えてきて、「転職失敗したかも…」と後悔してしまいます。
「自分は糖尿病治療に興味関心があるから、ぜひその専門分野について学びたい」といった強い動機があれば、多少勤務が厳しくても、人間関係が難しくても転職先に満足することができます。
「自分は○○がしたい!」「○○についての研究に熱心なこの病院に勤めたい」といった強い願いを持つことができること。そして、どうしてもこの病院に勤めてみたいといった強い意志を持つこと。これが転職を成功させる鍵となります。
● ネガティブな目的をプラスに転換してみる
例えば、人間関係が理由で転職したい場合には、自分の得意分野について掘り下げてみましょう。きっと興味ある処置や研究があるはずです。人間の心の仕組みそのものや看護師間の勤務をよりスムーズにできるような管理者になりたいといった願いもあるでしょう。
マイナスの理由からでも自分自身を大きく成長していくヒントがあります。
ある看護師は、「あなたに看護されたくない」と数人の患者に取り囲まれてバッシングを受けたことがショックで、看護師としての自身をすっかりとなくしてしまったそうです。その病院にいられなくなり、転職を決意しました。このことをきっかけに転職先で自分の看護のあり方を一つ一つ見直して、より質の高い看護のあり方を探求し続けた結果、現在では同僚や患者とより深く関わり合い、周りから頼られる素晴らしい婦長として大活躍しています。
家族の介護をきっかけに、仕事を転職しなければならなくなった方も、介護を通して見取りの大切さや高齢者に対する看護のあり方に関してより深い興味を持ち、研究しているという方もいます。
さっと条件にあった病院に転院することは誰でもできます。けれども、5年後に自分がどんな看護師になっていたいか。自分が看護師として追求していきたいテーマは何かといったことを掘り下げて考えていくことで、将来の自分にとって大きくプラスになる転職を手に入れることができます。
● 病院を自分で見学しに行くこと
自分の目指す方向性が決まり、勤務先に対する条件等が明確になったら転職支援会社を通じて就職活動を開始することになると思います。
転職支援会社を利用すると、数々の看護師の転職に携わった経験豊かなコンサルタントが病院の紹介から面接の日取りに関する事前の打ち合わせ、勤務条件の交渉まで手伝ってくれます。
それらの情報を元に病院をいくつかに絞るわけですが、ここで大切なのは、「自分の足で一度は必ず見に行くこと」です。コンサルタントから、「これ以上素晴らしい病院は望めません」と言われたとしても、あなたにとって本当にベストかどうかはあなたでなければわかりません。見ると聞くとでは大違いということもあります。実際に病院に行き、雰囲気を見れば、なんとなく看護師がギスギスしていたり、患者さんの表情が気になったりと様々な情報を一度に得ることができます。 第六感は侮れません。自分で必ず見に行くことと、自分の住む事になる地域を肌で感じてみることが大切です。
コンサルタントに強く勧められたから言われるまま転勤したら、看護師が全て20代の若い看護師で、自分とは10も離れている中でコミュニケーションが取りにくかったとか、子育ての理解を得るのが難しい職場だったといった違和感も事前に察知することができます。
● キャリアをきちんと把握し整理する
履歴書の他に職務履歴書を添付します。通常、勤務場所と勤務期間が明記されれば良いのですが、看護師は専門分野が数多くあります。そのため、○○科の○○技術についてより深く研修を詰んだといった、経験のある業務内容と研修などで培った専門分野、知識・技術などに関して詳細をまとめておきましょう。
自分の実力の詳細をまとめることで、職務履歴書にまとめやすくなりますし、面接時に自分のスキルに関してスムーズに表現することができます。
また、働き方は生き方でもあります。自分の看護人生を振り返り、今まで積んできた実績と知識を見つめ直すことで、将来自分の追求してみたい方向性や、自分の気づいていなかった特性を発見でいることでしょう。
面接官は、「過去・現在・未来」と連続してあなたが進んでいきたい方向性や将来性に大変期待しています。未来に向かってあなたの希望や熱意、意志があるかどうかをチェックしています。ぜひ、今までの自分をさらに伸ばしていくためにこれからの自分の将来について語れるよう準備していきましょう。
★ 履歴書などの書類の書き方
⇒ http://premium-nurse.jp/guide/article/manual03/
● 面接の受け答えを考えて挑む
面接時の服装、髪型など、外見を清潔感のある状態に整えましょう。スーツもしばらく着ないうちに体型似合わなくなっている場合もあります。場合によっては新調し証明写真は専門店でプロに撮影してもらいましょう。
面接時にリラックスして自分の長所をPRするためには、事前の準備が大切です。面接時に聞かれることはある程度決まっています。ネットで調べるとたくさん問答集を見つけることができますので、自分でQ&Aを作り、大きな声に出して何度も練習しましょう。
ほかの人に質問されると、答えに詰まってしまう場合もありますので、しばらくぶりに面接をする方は、椅子の座り方から、受け答えまで家族にチェックしてもらい、できれば質問をしてもらいましょう。実際に面接になった時に落ち着いて受け答えができるようになります。できれば面接時の格好もしてみましょう。椅子に座った状態では思ったよりもスカートが短く感じることもあります。
● 簡単な時事問題もチェック
多忙なため、時事のニュースに疎くなってしまっている場合があります。面接の前に時事問題やニュース、医療に関する大きな動きや医療事故などに関してチェックしましょう。時事問題は、朝のニュースを録画して毎日チェックすると良いでしょう。新聞に出てくる内容を手早く印象的にまとめてありますので、短時間で把握しやすくなっています。
話し方は看護師として毎日訓練されているようですが、少し早口になってしまうと感じる人は、ラジオ放送やNHKのニュースをよく聞いて話すテンポを掴んでおくと良いでしょう。
読書に関しては、気になる本を一冊読んでおき、時間があるときに簡単に感想をまとめておくと良いですね。
なんと言っても自分の長所と短所については定番の質問です。短所も話し方によっては長所に変わります。前向きに自分を変えるためにどのような努力をしているのかといったところを話すと、あなたの人間らしさを感じてもらうことができるでしょう。
人は自分のことについてあまり深く話すことはありません。いきなり聞かれたらやはり誰でも戸惑います。事前に質問表をしっかりと作ることが面接を成功させる秘訣です。
★ 面接でよく聞かれる質問と回答集
⇒ http://kango-st.com/questions